ふわふわ鶏団子と、ふわふわ鶏シート肉

同じ材料で作る、舌でつぶせる「ふわふわ鶏団子」と「ふわふわ鶏シート肉」
鶏肉は加熱すると固くなるため、噛むチカラが弱くなった方には食べにくい食材のひとつです。
そこで、鶏ひき肉にお豆腐や大和芋を混ぜて、やわらかい肉ダネを作り、舌と歯ぐきでつぶせる、ふわふわ食感の鶏の肉団子を作りましょう(写真・左上)。やわらかい鶏団子は鍋、煮込み、汁物などに活用できます。
ふわふわ鶏シート肉とは
「ふわふわ鶏団子」の肉ダネを、シート状に成形したものが「ふわふわ鶏シート肉」です(写真・右下)。流動状ではなく、「見た目にお肉らしい料理」を食卓に出したくて考案しました。もちろん、やわらかさは鶏団子と同じ。舌と歯ぐきでつぶせます。
バンバンジー、フライ、サラダなど、いろいろな料理に活用できるので、鶏の肉団子を作る時に鶏シート肉も一緒に作って冷凍しておけば、必要なときにササっと調理できて便利です。
やわらかく食べやすいので、さまざまな料理の食材として多くの方々に召し上がっていただけると思います。
<材料(鶏団子・鶏シート肉いずれも材料は同じです>
鶏ひき肉 ・・・・・・・・70g
綿豆腐・・・・・・・・・・50g
大和芋・・・・・・・・・・30g
たまねぎ(ネギでも可)・・30g
生姜・・・・・・・・・・・10g
マヨネーズ・・・・・・・・ 小さじ1/2強(5g)
溶き卵・・・・・・・・・・1/2個分(30g)
麩・・・・・・・・・・・・6g
酒・・・・・・・・・・・・小さじ1
片栗粉・・・・・・・・・・大さじ1
塩・・・・・・・・・・・・ふたつまみ
※生姜が苦手な場合は、生姜の代わりに日本酒を小さじ2、入れてください。
生姜は「くさみ消し」のために入れているので、日本酒で代用可能です。
日本酒のアルコール分は加熱時に飛んでしまうため、お酒くさくなることもありません。

やわらか鶏団子と鶏シート肉の材料
<作り方(鶏団子・鶏シート肉共通>
(1)大和芋は皮をむき、すりおろします。玉ねぎと生姜はみじん切りにします。
(2)まず麩だけをフードプロセッサーで粉砕し、次に大和芋以外の材料をすべて加えて滑らかになるまで粉砕してください。
(3)最後に大和芋を加え、さらにフードプロセッサーで撹拌します。
※大和芋は「ねばり」が強く、フードプロセッサーの動きが鈍くなるため最後に加えます。

すべての材料を、なめらかなミンチ状の肉ダネに
ここまでですべての材料が混ざって、なめらかなミンチ状の肉ダネができました。
ココまでは鶏団子も鶏シート肉も同じ。
ココから、どちらを作るかによって作り方が変わります。
鶏団子を作る場合
①鍋に湯を沸かし、ティースプーンで肉ダネをすくい、ヘラを使ってそっと湯に落とします。

鍋に湯を沸かし、肉ダネをそっと湯に落とす
②肉ダネが浮いてきたら、そのまま30秒ほど茹でます。

そのまま30秒ほど茹でる
③火が通ったら、網じゃくしですくいキッチンペーパーの上に取り、水気を切ります。
すぐに調理に用いる場合は、このまま利用します。
④作り置き冷凍する場合は、バットに並べてラップをかけて冷凍します。

この状態で冷凍しておけばさまざまな料理に使えます。
鶏シート肉を作る場合(薄切り肉の形に肉ダネを成形する)
①キャビネ版サイズ(20.9cm×16.5cm)のバットを2つ用意します。
②5cm×14cmの台紙を作り、1枚のバットの中央に貼りましょう。
(写真の水色の紙が台紙です)
肉ダネをこの台紙の形に合わせてシート状に成形していきます。
③バットにラップを敷き、計量器に載せてゼロ表示にしたら、肉ダネ30gを計量しましょう。

バットに台紙(写真の水色の紙)を置き、ラップを敷いて計量器に載せてゼロ表示にしたら、肉ダネ30gを台紙の中央に計量して置きます
④台紙の形に合わせてラップをたたみます。

この時、肉ダネの形を整えるのではなく、ラップを台紙の大きさと形に合わせて長方形にキッチリたたむことに注力してください
⑥同じ大きさのバットで押さえ、均一なシート状にのばします。

同じ大きさのバットを重ねて上から軽く押し、ラップの中の肉ダネを均一な厚さのシート状にのばしましょう

肉ダネを薄切り肉の形に成形できました!
上記の分量の材料で約7枚の鶏シート肉を作れます。
すぐに調理に使わない時は、このまま冷凍保存します。
すぐに調理する時は、電子レンジ600wで30秒加熱しましょう。

加熱後は用途に合わせて調理します
<ポイント>
*鶏のもも肉やササミなどを使う料理の代用としても使えます。
*やわらかく崩れやすいので、加熱する際は火加減や触り過ぎに注意が必要です。
*材料にマヨネーズを入れることで、加熱してもタンパク質がかたくなりにくい作用があります。
*豆腐は水切りせずに使います。
<なぜシート肉は30gずつ?>
シート肉は、電子レンジで加熱すると若干膨張します。30gを、この大きさで延ばした厚さが、膨張したときに厚すぎず薄すぎず、ちょうど舌でつぶしやすい厚さになります。
ですから、この厚みを出すのに、縦横の長さも大切です。バンバンジーなどの棒切りに使う時にも、ちょうどいい大きさ、厚さになります。
また、今回は鶏肉ですが、豚肉でもシート肉を作り、これを利用して生姜焼きを作ると、30gの大きさがちょうど薄切り肉の大きさなので、見た目は普通のものとほとんど変わらずに作ることができます。食べる人にはとても喜んでもらえると思います。
私自身、「お~~!」と喜んでもらったことが、介護ごはんを作る励みになりました。
もう少し噛める場合は分量を増やして
30gの厚みでは物足りないなど、噛むチカラの具合によっては、もう少し厚みがあっても大丈夫という場合もあります。「食べやすい食品の形状表」でA・Bのグループに入る場合は、分量を少し増やして厚みを出してお作りになると良いと思います。
どうぞご活用ください。
この「ふわふわ鶏団子」を活用したレシピ

ふわふわ鶏団子スープすだち添え

ふわふわ鶏団子のトマトソース煮

蕪のふわふわ鶏団子詰め
(ごめんなさい。一部のレシピページは現在準備中です。今後公開していきます)
この「ふわふわ鶏シート肉」を活用したレシピ
(料理写真をクリックするとレシピページを表示します)