やわらかい・飲み込みやすい
ものを食べるという行為は、「噛む」と「飲み込む」という2つが連続して行われることで成り立っています。では、噛みやすく、飲み込みやすい食品の形状とはどういうものなのか、また、そのように調理するためにはどんなことに気を付けたら良いでしょう。
口の中に入れた食べ物を噛んで細かくすると、食べ物は唾液(だえき)と混ざって、自然とひとまとまりの塊り(かたまり)にまとめられて、飲み込みやすい状態になります。これを「食塊(しょっかい)」といいます。
実はこの、「ひとまとまりの塊り(かたまり)にすること」が、誤嚥を防ぐためにはとても大切です。
この3つです。 ココ、大切です。
また、食品や食材によって、水分が多いか少ないか、粘り気があるかないかといった違いがあります。こうした特徴によって、噛みやすさ、飲み込みやすさが違ってきます。
誤嚥(ごえん)しやすい状態というのが以下の6つです。
包丁などで細かく刻む場合、刻んだ一つひとつの粒の大きさがふぞろいだったり、かたさが違う食材が含まれていると、噛むのが難しくなり、飲み込みやすいように口の中でまとめることが難しくなります。大きさやかたさがふぞろいな食材は、できるだけ同じ大きさ、同じかたさにそろえるようにしましょう。
例えば、おから、ひき肉、かまぼこ、こんにゃく、レンコン、ピーナッツ、寒天といった食材は、細かく刻むと、口の中でバラバラになりやすく、ぽろぽろと喉(のど)に落ちて誤嚥(ごえん)を引き起こしやすくなります。こうした食材を調理するときは、とろみをつけたり、ペースト状にするなど、全体に粘りけを加えるようにすると食べやすくなるものもあります。
水やお茶、ジュース、汁ものなどの液体は、噛む必要がなく、飲み込みやすそうに思えますが、実は細心の注意が必要です。サラサラしているため、速いスピードで喉(のど)を滑り落ちていき、誤嚥(ごえん)の原因となりやすいのです。意外ですよね。私もはじめて知ったときは驚きました。液体はとろみをつけて、ゆっくりと飲み込めるようにしましょう。
パン、カステラなどスポンジ状でパサパサしている食品は水分が少ないため、口の中でバラバラになりやすく、まとまりにくいという特徴があります。唾液(だえき)と混ざると、ベタついた塊り(かたまり)になり、口の中に残りやすくなります。摂取量が多いと喉(のど)に詰まる危険もあります。
キュウリを薄くスライスしたら食べやすいのではないかと思われがちですが、実は、薄いがゆえに喉(のど)に張り付きやすく、飲み込みにくくなります。ワカメや海苔なども同様です。
また、粉海苔やきな粉など、粉っぽいものも、張り付きやすいため、飲み込みやすいものと合わせて利用しましょう。最中の皮やウエハース、お餅なども、喉(のど)に張り付きやすい食材です。なるべく避けましょう。
酸っぱいもの、酸味の強いものは、ムセを誘発しやすいため、出し汁などで酸味を薄めるとよいでしょう。
このように、誤嚥(ごえん)を防ぐためには、調理の際に口の中でまとまりやすく、ゆっくり飲み込める状態にすることを意識することが大切になります。
バラ酸っぱサラ パサ切るペタ!?
これらの誤嚥(ごえん)を招きやすい食べ物の特徴6つを、頭の中に入れておきましょう。
「バラ酸っぱサラ パサ切るペタ」
「バラ酸っぱサラ パサ切るペタ」
「バラ酸っぱサラ パサ切るペタ」
●
●
●
えっ、何かの呪文みたいですか?実はこれ↓です。
「バラ酸っぱサラ パサ切るペタ」
「バラ酸っぱサラ パサ切るペタ」
「バラ酸っぱサラ パサ切るペタ」
●
●
●
何度も呪文のように唱えたら、覚えられます。ぜひ、介護ごはん作りの時に思い出してください。
これらの誤嚥(ごえん)しやすい食べ物の特徴に、当てはまらないか、確認しましょう。
呪文にしてまで覚えた方がいいほど、誤嚥(ごえん)は重篤な状態を引き起こしかねない、介護ごはん作りの大きな課題なのです。
そして、食材を選ぶときには、口の中に残りやすいもの、喉(のど)に張り付きやすいもの、ムセやすいもの、といった食材や食品の特徴を知っておけば、避けることができます。
「誤嚥しやすい6つの特徴」をどうぞお役立てください。
食べ物や飲み物にとろみをつける方法については「とろみをつける方法」ページにご紹介しています。こちらもご活用ください。
◆このページに関連のあるほかのページへ◆