このサイトについて

 

 おいしく食べて、元気になってほしいから、
 簡単にできる、ひと工夫を探しました。

 このサイトは、いろいろな理由で「食べ物を十分噛み砕く」「しっかり飲み込む」という力が弱くなって、いつものごはんを食べられないご家族がいる方に、やわらかくて、飲み込みやすく工夫した「介護ごはん」をご紹介するサイトです。

 毎日のごはんだから、楽しんで食べてほしい。食べることで元気になってほしい。同じものを食べて「おいしいね」と一緒に笑顔になりたい。そんな願いから、私なりに工夫したごはんです。

 家族の病気が介護ごはんとの出会い
 病気だからこそ、毎日おいしく楽しいごはんを

 夫が口腔内(口の中)の病気で食べ物を咀嚼(そしゃく=よく噛むこと)ができなくなったのをキッカケに、介護ごはんを作るようになり、家族が病気であっても、病気だからこそ毎日、一緒においしく楽しくごはんを食べることの大切さを改めて感じました。

 「やわらかd5090c9f184cdd8304bd1b8f1bdf03bd_sくて食べやすい」と、うたった市販品もありますが、噛める具合や飲み込む力はひとりひとり違い、また味付けの好みも、好きな食材も違うため、なかなか「これなら大丈夫」というものに出会えませんでした。

 夫が健康を取り戻すには、もう私が何とかするしかないと腹をすえて介護ごはん作りに取り組みました。


 毎日のことですから、一人分だけ特別に作るのは負担が大きくなります。

同じごはんを一緒に楽しみたい

 いつもの家庭料理、ほかの家族も食べる同じメニューにひと工夫を加えて食べられるようにしたい。同じごはんを食べること、今日のごはん、おいしいね、と一緒に食事を楽しめること。それが願いでした。

 でも意外とレシピやお手本は少なく、何をどう調理したらいいのか、初めは本当に困り、途方に暮れたこともありました。

 試行錯誤を繰り返す中で、少しずつ、「こういう食感だと食べやすいんだ」「あ、こうすれば簡単にできる!」「あれ、この方がいつもの作り方よりもおいしい!?」という発見や驚きが積み重なっていったのです。

 「冷凍保存の大活用」で時短調理
 レパートリーも、ぐんと増加


 いろいろな工夫の中でも、野菜のピュレやソース類、ご飯やおかずをたくさん冷凍保存してストックしたことで、調理の時間が大幅に短縮できました。

 その後はこの冷凍ストックが毎日毎食大活躍。他の食材と組み合わせることで和洋中の献立がらくらくと作れ、料理のレパートリーがぐ〜んと増えたのです。

介護ごはん作りが楽しくなった

 それまでは一日中キッチンにこもりっ放しだったのが、時間に余裕ができ、手が回らなかった盛り付けにも気を配れる心のゆとりが生まれました。「わぁ、おいしそうだね」と言ってもらえると、もっと頑張れる力が湧いてきました。

 ほんのちょっとした工夫の積み重ねで、はじめは大変だった介護ごはん作りが、いつしか「介護ごはんって面白い。楽しい」に変わっていきました。

 ふだんお料理が好きで、料理経験が豊富だという方でも、苦労されるのがこの介護ごはん作りです。私と同じように食事が難しいご家族をお持ちの皆さんの参考にしていただけたらと思い、簡単な工夫で作れる「やわらかくて飲み込みやすい介護ごはん」をこちらでご紹介します。

 初めは少し戸惑うこともあるかもしれませんが、食べる方に合わせて、皆さんがそれぞれ工夫を盛り込んでオリジナルの介護ごはんを作られたら、食べる方もとても喜ばれると思います。


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 ご家族ひとりひとりに合った
 「やわらかさ」「飲み込みやすさ」で

 ひとりひとり、食べものを十分噛み砕く咀嚼(そしゃく)の具合や、ごくりと飲み込む嚥下(えんげ)の具合は違います。

 このサイトに掲載しているレシピは、私自身の家族のために作ったものがベースになっているため、やわらかく加熱した食材を細かく刻んだ「極刻み食」や、ピューレ状、ペースト状、ムース状にした「ミキサー食」というレベルの内容が多くなっています。

とのくらい噛めるか、飲み込めるか

 どのくらい噛み砕けるか(咀嚼できるか)、どのくらい飲み込めるか(嚥下できるか)によって、「食べやすい食品の形状」をわかりやすく表にしたものを目安として作りましたので、参考にしていただければと思います。「食べやすい食品の形状」ページ(←リンクしています)をご覧ください。皆さんのご家族に合うやわらかさ、飲み込みやすさが大切だと思います。

 作り方を紹介するページでは、「もっとやわらかくするには」「もっと飲み込みやすくするには」どうしたら良いか、という工夫についてのアドバイスもご紹介していきます。
 また、味付けの好みも、それぞれ違うと思います。こちらでご紹介する作り方を参考に、皆さんのご家族ひとりひとりに合う介護ごはんをお作りいただけたらと願っています。

 栄養制限・カロリー制限について

 塩分や糖分などの栄養制限がある方も、食事全体のカロリー制限がある方もいらっしゃることと思います。申し訳ありませんが、この「クリコ流 ひとりひとりの介護ごはん」では、栄養制限とカロリー制限についての内容は含んでいません。

 せっかく制限内容を踏まえて工夫した食事なのに、噛み砕けない、飲み込めないという場合に、ぜひお役立てください。

 一緒にごはんを食べて「おいしいね」と笑顔がこぼれる、そんな毎日の家族のしあわせが続きますように。

調理具イラスト

料理研究家・介護食アドバイザー
Curiko(クリコ)こと 保森 千枝
(略歴はこちら)

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